今回は、ペナルティについて解説をするよ。
少し難しい話が続くけど、アイスホッケーを安全に楽しむためにも重要なことなので、しっかり理解しよう。
今日もよろしくお願いします。
言葉の定義として、反則は「行ってはいけない危険な行為」、ペナルティは「反則を行ったプレイヤー(チーム)に課される罰則」として話を進めるよ。
反則の種類
アイスホッケーは、スピードが速く、接触プレー(ボディコンタクト)が認められているスポーツのため、ともすれば危険なケースも起こりえます。
そのため、危険な行為を防止するために様々なペナルティが設けられています。
今回は、反則や危険な行為などついて、初心者が犯しがちな点を中心に解説していきます。
反則名 | 内容 |
---|---|
チャージング | 相手選手に向かって滑っていき、不必要な力でチェックする、突っ込む、飛びかかるなどの行為。 |
チェッキング・トゥ・ザ・ヘッド・オア・ネック | 頭部や頸部(のど)へのチェック。 相手プレイヤーの頭部を保護ガラスやボードに押し付けるなどの行為。 |
バインディング | 相手プレイヤーに噛みつく行為。 |
クリッピング | 相手プレイヤーの膝部分にチェックする意図をもって、体を低くする行為。 |
クローズィング・ハンド・オン・パック | パックをつかむ行為。 (パックをグローブで叩き落す、パックをつかんだのち、すぐに氷上に置くなどの行為は認められる) |
エルボーニング | 肘を使って相手プレイヤーにチェックする行為。 |
ヘッド・バッティング | 相手プレイヤーに頭突きをする行為。 |
ホールディング | 相手プレイヤーの腕や足などをつかんで、プレーを妨害する行為。 |
ホールディング・ザ・スティック | 相手プレイヤーのスティックをつかむ行為。 |
ニーイング | 相手プレイヤーをスケートで蹴る行為。 |
イリーガル・ヒット(女子のみ) | 女子はボディチェック自体が禁止されている。 |
このあたりは、激しくプレーする中で、意図せずに犯してしまうことが多いかもしれない。
スケーティングが未熟だったりすると、思わず相手をつかんでしまったり、ストップができずに相手にチャージングしてしまうなんてことも起こりうる。
もちろん、故意に行うのは絶対にダメだよ。
反則名 | 内容 |
---|---|
クロスチェッキング | 両手でスティックを持ち、スティックのいずれの部分も氷上につけずに、相手選手の体にスティックでチェックする行為。 |
ハイ・スティッキング | スティックを自分の肩よりも高い位置に上げて、相手選手をたたく行為。 |
フッキング | スティックで相手選手をひっかける行為。 |
スラッシング | スティックを振り回したり、相手プレイヤーをたたくなどの行為。 |
スピアリング | スティックのブロードの先端で、相手プレイヤーをつく行為。 |
トリッピング | スティックや足を使って、相手プレイヤーをつまづかせる行為。 |
スティックを使った反則は、より危険度が増すので注意が必要だよ。
スピードにのった状態で接触しそうになり、思わずクロスチェッキングになってしまったり、空中に浮いたパックを叩き落そうとしてハイ・スティッキングになったりということをやりがち。
反則名 | 内容 |
---|---|
アビューズ・オブ・オフィシャル | オフィシャルへの侮辱行為。 |
ベンチマイナー | プレイヤーズベンチからゲームに悪影響を及ぼす行為。 |
ダイビング・オア・エンべリッシュメント | 相手選手にペナルティを科そうとして、露骨に転倒や負傷を装う行為。 |
アンスポーツマンライク・コンダクト | スポーツマンらしからぬ行為。 (汚い言葉を吐く、相手選手が怪我した際に喜ぶなど) |
ディレイ・オブ・ザ・ゲーム | 試合進行を遅らせる行為。 パックを故意に競技エリア外に出してしまう、交代時に速やかにプレイヤーが出てこないなど。 |
トゥ・メニー・メン | 規定より多くのプレーヤーがゲームに参加した場合。 |
インターフェアランス | パックを保持していないプレイヤーのプレーを妨害する行為。 |
スピッティング | つばを吐く行為。 |
トーンティング | 相手を愚弄する行為。 |
このあたりはモラルをもってプレーしていれば大丈夫な、基本的なことが多い。
熱が入りすぎて、思わずオフィシャルや相手プレイヤーに汚い言葉や暴力をふるってしまったってことがないように。
また、初心者のうちはプレイヤー交代でもたついて、「ディレイ・オブ・ザ・ゲーム」や「トゥ・メニー・メン」などを取られないように注意しよう。
ペナルティの退場時間
反則を犯した選手やチームに対して、反則に応じた時間、ペナルティとして退場することになります。
ペナルティの種類 | 退場時間 | 代替選手 |
---|---|---|
マイナーペナルティ | 2分 | × |
ダブルマイナーペナルティ | 4分 | × |
メジャーペナルティ | 5分 | × |
ミスコンダクトペナルティ | 10分 | 〇 |
ゲームミスコンダクトペナルティ | 残り時間すべて | 〇 |
マッチペナルティ | 残り時間すべて | 〇(5分後から) |
よく起こりえるのは、マイナーペナルティだよ。
下に行けば行くほど、より危険な行為や非紳士的な行為に適用される。
マイナーペナルティ
ゲーム中最も多く適用されるペナルティになります。
反則を犯したプレイヤーが退場となり、2分間ペナルティボックスに入ります。
反則を犯したプレイヤーの代替選手を出すことはできず、プレイする選手が一人少ない状態(キル・プレイ)でゲームが再開されます。
相手チームが得点した時点で、ペナルティは解除されます。
ダブルマイナーペナルティ
一つのプレーでマイナーペナルティにあたる行為を複数行った、あるいはマイナーペナルティよりも重いとオフィシャルに判断された場合。
反則を犯したプレイヤーが退場となり、4分間ペナルティボックスに入ります。
そのほかは、マイナーペナルティと同じ。
メジャーペナルティ
非常に重いペナルティで、相手プレイヤーにけがを負わせた場合などに適用されます。
反則を犯したプレイヤーが退場となり、5分間ペナルティボックスに入ります。
反則を犯したプレイヤーの代替選手を出すことはできず、プレイする選手が一人少ない状態(キル・プレイ)でゲームが再開されます。
相手チームが得点しても、ペナルティは解除されません。
ミスコンダクトペナルティ
何度も繰り返し反則やゲームの遅延行為を行うなどの場合に適用されます。
反則を犯したプレイヤーが退場となり、ペナルティボックスに入ります。
ミスコンダクトペナルティはプレイヤー個人に適用されるペナルティのため、
反則を犯したプレイヤーの代替選手を出すことができます。(キルプレーにはなりません)
反則したプレイヤーは、10分位経過後の試合中断時点から試合復帰が可能になります。
ゲームミスコンダクトペナルティ
相手プレイヤーに大きなけがを負わせるような悪質なプレーや大喧嘩など、著しくスポーツマンシップに劣る行為に適用されます。
反則を犯したプレイヤーは試合終了まで退場となり、控室に戻らねばなりません。
ミスコンダクトペナルティと同様、反則を犯したプレイヤーの代替選手を出すことができるため、キルプレーにはなりません。
マッチペナルティ
主に、オフィシャルへや観客への侮辱や危険行為など、著しくスポーツマンシップに劣る行為に適用されます。
反則を犯したプレイヤーは試合終了まで退場となり、控室に戻らねばなりません。
ミスコンダクトペナルティと同様、反則を犯したプレイヤーの代替選手を出すことができますが、5分後からとなります。
また、試合後も出場停止処分なども課されます。
反則発生後の流れ
反則が発生するとオフィシャルが手を上げて、両チームに反則があったことを知らせます。
反則を受けたチームがパックに触るまで、そのままゲームは続行されます。
反則をしていないチームは、パックを奪われるまで攻め続けることができるので、大胆なプレーが可能になるよ。
その後、反則に対してのペナルティが適用されます。
通常は、反則をしたプレイヤーがペナルティボックスに入り、ゲーム再開となります。
反則によってプレイヤーとゴーリーの1対1のシチュエーションが崩されたなどの場合には、ペナルティショットが適用される場合もあります。
ペナルティショットは、第3回で紹介したゲームウィニングショットと同じような形式で行い、
ゴーリーとプレイヤーの1対1となります。
まとめ
今回は、アイスホッケーで適用される反則とペナルティについて見てきました。
危険な行為や非紳士的な反則行為に対して、6種類のペナルティが適用されます。
今回は、難しい話が多かったですね~
確かに、文字ばかりで少し大変だったかもね。
でも安全に楽しくプレーするには大事なことだね。
エラそうに言ってるけど、僕自身、今回の解説をすることで改めて知ったことも多かったんだ。
ペナルティの細かい用語をすべて覚える必要はないけど、どういった反則があるのか、またどのようなペナルティが適用されるのか、について大まかにでもいいので覚えておくのがいいと思うよ。
危険な行為やスポーツマンらしくない行為はせずに、楽しくプレーできるのがいいですね!
コメント